タイラバで使うリールのギア比をハイギアにすると得られる5つのメリットとたった1つのデメリット

タイラバのリールをハイギアにするメリット・デメリット リール

タイラバのリールをハイギアにすると、5つのメリットを得る事ができますが、デメリットもあります。
今回は、タイラバ釣行時に生じるリールの問題点から見えてくる、ハイギアのメリットとデメリットを解説します。

タイラバが海底に着底した時に起きるリールの問題点

タイラバが海底に着底した時のリールに起きる問題点は、リールの最大巻上長でタイラバを巻く事ができないことです。
その理由は、タイラバが着底した時、水深分のラインが放出されているため、スプールが痩せてしまい、1回転あたりのラインの巻取長(巻取の長さ)が変わってしまうためです。
どのくらいラインの巻取長が変わるのか、見ていきましょう。

今回検証に使うリールは、シマノのアルデバランのハイギアのベイトリールです。
公式ホームページによると、最大巻上長はハンドル1回転あたり70cmとの記載があります。

アルデバランmg7

ラインはPEライン0.8号をスプールいっぱいに巻いています。

アルデバランmg7

水深100mにタイラバを着底させたと仮定して、100mラインをリールから出します。
今回は高速リサイクラーを使って100mラインを回収しました。

アルデバランmg7と高速リサイクラー

画像の分だけスプールが痩せてしまいました。

100mラインが出たリール

この状態からハンドルを1回転させ、巻取長を測ります。

高速リサイクラーとメジャー

ハンドル1回転で約61cmの巻取長でした。
つまり、巻取長の損失は、
巻取長61cm÷最大巻取長70cm=0.87
となるので、タイラバが着底してから最大巻取長の87%程度の巻取長でしか巻く事ができないということが分かります。
今回はPEライン0.8号を水深100mでタイラバを行ったという仮定で実験を行いましたが、使用するPEラインが1号や1.2号と太くなればなるほど更にスプールが痩せるので、巻取長は短くなります。
また、更に水深が深くなり、ラインの放出量が増えれば同様の事が起きます。

タイラバにおいて、リールの巻取長が短くなることによって発生してしまう問題があるので、詳しく見ていきましょう。

タイラバでリールの巻取長が短くなると起こる問題

水中の泡

タイラバでリールの巻取長が短くなると起こる問題は、海底に着底直後のタイラバの立ち上がりが悪くなることです。
タイラバの立ち上がりとは、海底に着底した直後にタイラバを巻き上げ、下へと落ちていたタイラバが上への移動に移り変わる瞬間のことを言います。
タイラバではこの立ち上がりの瞬間に魚からの当たりが多く、この瞬間の当たりを捕らえることができるかどうかで釣果が大きく左右されます。

大漁の真鯛

しかし、タイラバの着底直後は上記で説明したとおり、リールの巻取長も短くなっているだけでなく、糸フケも出ている状態ですので、立ち上がりが悪くなる要因が2つもある状況です。
この立ち上がりが悪くなる2つの要因を解決してくれるのがハイギアのリールです。
なぜなら、短くなっている巻取長を補い、素早く糸フケを回収することができるからです。

ハイギアのリールを使うことによって、立ち上がりだけではなく、立ち上がりからの巻きでの誘いもメリットがあります。
それでは見ていきましょう。

タイラバのリールでハイギアを使う4つのメリット

ハンドルをゆっくり巻くことができる

紅牙IC

グローブライド株式会社 紅牙 IC より画像引用

タイラバを同じ速度で巻いてくることを、ローギアとハイギアのリールで比較した場合、ハンドルをゆっくりと回すことができるのはハイギアのリールです。
ここでは、ダイワの紅牙IC(こうがIC)というリールのスペックを参考に見ていきます。
ローギアの巻取長は54cm、ハイギアの巻取長は80cmです。
仮に100m(10000cm)の水深を巻き上げた時のそれぞれのハンドルを回す回数は、

  • ローギア…水深10000cm÷巻取長54cm=約185回
  • ハイギア…水深10000cm÷巻取長80cm=125回

となり、同じ時間でタイラバを巻き上げてくるとすると、ハイギアの方が巻く回数が少ないため、ゆっくりとハンドルを回すことができます。

※今回の計算では、スプールが痩せた際の巻取長は加味しておらず、あくまで同じ種類のリールのローギアとハイギアをメーカー公式のカタログ上のスペックで比較し、ハンドルの回転数の違いを表したものです。

タイラバを一定速度で巻きやすい

タイラバ

上記の、ハンドルをゆっくりと回す事ができるメリットから生まれてくるもう1つのメリットが、タイラバを一定速度で巻きやすいということです。
ローギアでハイギアと同じ速さでタイラバを巻き上げると、ハンドルを速く回さなければならない分、ロッドがブレやすくなります。
ロッドがブレるとタイラバを持ち上げてしまったりする場合があり、タイラバを一定速度で巻き上げる事が難しくなります。
しかしハイギアのリールを使うことによって、ハンドルをゆっくりと回す事ができ、ロッドをブレさせることなく一定速度で巻き上げることができるのです。

感度が良い

リールと竿

ハイギアとローギアでハンドルの巻き速度を同じにした場合、ハイギアはハンドル1回転あたりの巻取長が長くなる分、手に負荷がかかるため、巻き心地は重く感じます。
海中で潮は複雑に流れており、流れが速いところもあれば遅いところもあります。
海流が速いところではタイラバやラインに負荷がかかるため、ローギアでは楽に巻くことができます。
しかし、ハイギアではハンドルに重さを感じるため、海流が速いところが分かるのです。
なぜ海流が速いところを知ることが重要かというと、真鯛は潮の流れが効いているところを好むからです。
タイラバが着底してハンドルを回すのを重く感じるところが何回目なのかを覚えておくと、真鯛が居る層を的確に攻略することが可能になります。

うねりに対応してタイラバを一定に巻く事ができる

うねり

タイラバを一定に巻くことを妨げる要因の1つに、うねりがあります。
アングラー(釣り人)がタイラバを一定に巻き上げているとしても、うねりが出ている場合、船がうねりに合わせて上下することによってタイラバも上下してしまいます。
うねりによって持ち上げられたタイラバは、巻き上げているつもりでも船が下がるにつれてタイラバも下がります。
このようなうねりが出ている状況でも、ハンドルから伝わる手に掛かる負荷を一定にすることによって、タイラバを一定に巻き上げてくることができます。

タイラバのリールでハイギアを使った時のたった1つのデメリット

巻き心地が重い

手首のサポーター

メリットである感度が良いことと表裏一体です。
真鯛は流れが速いところを好むため、必然的に何度もタイラバを巻き心地が重いところを通さなければなりません。
手に負荷が掛かるところを避けたくなりますが、手に負荷が掛かるところこそ真鯛が釣れる好ポイントなのです。
あまりにも手に負担が掛かり巻くことが辛い場合は、ハイギアで海流の速いところを確認しておき、ローギアで攻めるのもいいかもしれません。
ちなみに筆者は、海流の負荷が強い時は、手首にサポーターを付けてハイギアのリールを使うようにしていました。

まとめ(5つのメリットと1つのデメリット)

タイラバでハイギアを使用するメリットは、

  • タイラバの立ち上がりが良くなる
  • ハンドルをゆっくり巻くことができる
  • タイラバを一定速度で巻きやすい
  • 感度が良い
  • うねりに対応してタイラバを一定に巻く事ができる

の5つです。また、デメリットは、

  • 巻き心地が重い

の1つです。
メリットが多く感じられますが、デメリットもありますので、必要に応じてギア比を選ぶことが重要です。

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