フリーリグ(フリリグ)のシンカーの2つの重要な考え方と、シンカーの重さでのタックルの使い分け

フリーリグのシンカー バス釣り仕掛け

テキサスリグと良く比較されるフリーリグ。今回はその大きな違いであるシンカーに着目し、歴史やシンカーの重さの選び方、そして、おすすめのフリーリグ用のシンカーまで紹介します。

フリーリグ(free rig)の歴史

日本アメリカ韓国

フリーリグという名前が生まれるずっと昔、アメリカではDipsey Weight(直訳:深海のオモリ)というオモリを使用して名前もないリグとして使われていた歴史があります。日本だと胴付き仕掛けに使われるようなオモリです。その釣りが流行ることもなく、テキサスリグが主流となっていくのです。
しかし、2010年頃から韓国のローカルで釣果を上げていき、フリーリグと呼ばれるようになりました。
2015年頃には日本で徐々に取り上げられ、2019年にはアメリカで注目されるようになります。

フリーリグに使うシンカーの2つの考え方

フリーリグに使うシンカーとよく比較されるのが、テキサスリグやキャロライナリグに使われるバレットシンカーとの違いです。そこには摩擦と抵抗という2点を考えなければなりません。それでは見ていきましょう。

フリーリグのシンカーの摩擦について

シンカーとラインの摩擦の比較

フリーリグのシンカーと、バレットシンカーがラインに触れている面積を比較すると、フリーリグのシンカーは点に対し、バレットシンカーは面で触れていることがわかります。
つまり、フリーリグのシンカーはバレットシンカーと比べてラインとの摩擦が低いため、より早く下に沈んでくれるのです。

フリーリグのシンカーの抵抗について

シンカーが受ける水の抵抗の比較

フリーリグのシンカーと、バレットシンカーを着水させたあとのシンカーの水の抵抗を比較すると、摩擦のときと同じように、フリーリグのシンカーは点に対し、バレットシンカーは面で触れていることがわかります。
つまり、水の抵抗が少ないフリーリグのシンカーは着水したポイントの真下に落ちやすく、バレットシンカーは着水したポイントから手前にカーブフォールしやすくなります。

フリーリグのシンカーの重さの選び方

フリーリグはベイトタックルでもスピニングタックルでも扱うことができます。
それぞれのタックルでのシンカーの重さの取り扱いについて見ていきましょう。

ベイトタックルでのシンカーの重さ

ベイトリール

ベイトタックルは太い糸を巻くため、重いシンカーを取り扱うことが出来ます。
基本的には5g以上を目安に水深と水の流れを見てシンカーの重さを決めていけばいいでしょう。

スピニングタックルでのシンカーの重さ

スピニングタックル

スピニングタックルは細い糸を巻くため、軽いシンカーを取り扱うことが出来ます。
シンカーの重さは上限を5gにし、それ以下のシンカーを使うと良いでしょう。

軽いシンカーでのベイトフィネスはおすすめしない理由

ベイトタックルで軽いルアーを投げることができるベイトフィネスというタックルセッティングがありますが、フリーリグではおすすめしません。
なぜなら、太い糸だとシンカーのスイベル部分に触れる面積が増え、摩擦が大きくなります。すると、軽いシンカーだとスムーズに真下に落ちてくれないからです。
では、どのくらいシンカーが落ちる速度が違うのか見ていきましょう。

同じシンカーの重さで比較

フロロカーボンライン

スピニングタックルとベイトフィネスタックルで同じシンカーを使い、どのくらいのフォール時間の差が出るのか比べてみました。
スピニングのラインはフロロカーボンラインの4lbで、ベイトフィネスはフロロカーボンの14lbです。
準備したシンカーの重さは、2.5gのフリーリグ用のシンカーです。

実験の環境

10mの幅の川

水深約2mの河川での実験です。
実践を想定して、約10m程度ピッチングでキャストし、シンカーが水面に着水してからボトム(底)まで落ちる時間をスピニングタックル、ベイトフィネスタックル共に3回ずつ計測し、平均の時間を出しました。
それでは、どのようなフォール時間が出たのか見てみましょう。

スピニングでのシンカーのフォールの平均時間

  • 1回目…3.61秒
  • 2回目…3.71秒
  • 3回目…3.26秒

平均3.53秒でした。

ベイトフィネスでのシンカーのフォールの平均時間

  • 1回目…4.36秒
  • 2回目…4.93秒
  • 3回目…4.83秒

平均4.70秒でした。

ワームのフォールを重視するならスピニング

川とロッド

スピニングとベイトフィネスでは水深約2mでフォールの時間差が平均で1.17秒ありました。
なんと、ベイトフィネスはスピニングと比較すると、シンカーのフォールの時間に約1.3倍もの時間がかかっていたのです。
つまり、スピニングのほうがベイトフィネスよりも、食わせの間を約1.3倍も作ることができるということになります。

太いラインで軽いルアーをキャストできるというメリットを持っているベイトフィネスタックルが、フリーリグの場合デメリットになります。
軽いシンカーを使う時は、細いラインをメインに使用するスピニングタックルをおすすめします。

オススメのフリーリグ用のシンカー

様々なメーカーからフリーリグ用のシンカーが販売されていますが、一番着目していただきたい部分はラインを通すスイベル部分です。このスイベルが細ければ細いほどラインに触れる面積も減るため、スムーズな滑りを可能にします。他には、シンカーの素材や形状など様々あります。
今回は、フリーリグ用のシンカーを4つ紹介します。

ダイワ

ダイワのシンカー

名称は、バザーズワームシンカーTGフリーリグタイプです。
サクサスと呼ばれるフッ素メッキ加工を施したとても滑りのいいスイベルがついており、ラインとの摩擦を極限まで抑えています。
シンカーもマット加工されており、金属独特の光を嫌う個体にも違和感なく使えます。
市販されているフリーリグ用シンカーで一番おすすめするシンカーです。

フィッシュアロー

フィッシュアローのシンカー

名称は、フリリグシンカータングステンです。
日本で初めてのフリーリグ専用のシンカーです。

reins(レインズ)

レインズのシンカー

名称は、レインズタングステンスリムダウンショットシンカーラウンドアイ仕様です。

RYUGI(リューギ)

リューギのシンカー

名称は、DSリングドデルタ TGダウンショットシンカーです。

まとめ

フリーリグ用のシンカーは、摩擦と抵抗という2つの大事な考え方が重要です。
まだ新しい釣り方で、各メーカーから出ているシンカーもダウンショット用の袋を流用している事が多いくらいです。
シンカーの選び方一つで釣果も変わることが多いですので、自分の釣りがしっかりイメージできるシンカーを選び、周りと差をつけましょう。

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