バス釣りをしていて、秋によく出る言葉の1つにターンオーバーという言葉があります。
今回は、ターンオーバーとはどのような現象なのか、ターンオーバーの期間に選ぶべきポイントについて解説します。
ターンオーバーとは
ターンオーバーとは、一言で表すと「上と下の水が混じり合う」ことです。
では、なぜこのような現象が起きてしまうのかみていきましょう。
夏の水中の状況
![ターンオーバーの仕組み](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/09/夏-1024x792.jpg)
夏は水面があたためられますが、底の冷たい水とは混じり合いません。
なぜなら、あたたかい水と冷たい水は密度が違うためです。
上層部(Epilimnion:エピリムニオン)のあたたかい水と、下層部(Hypolimnion:ハイポリムニオン)の冷たい水の混じり合わない層を、サーモクラインと呼びます。
サーモクラインは約5m〜7mの中層にできることが多く、この層は溶存酸素量が多いため、ブラックバスが好むポイントとなります。
対して、サーモクラインより下層の水は、水面との水の交換が行われないため、様々な生物の死骸やフンなどが蓄積してアンモニアの濃度が高くなっていたり、酸素濃度が薄い状態になっています。
初秋の水中の状況
![ターンオーバーの仕組み](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/09/スクリーンショット-2020-09-08-15.44.44-1024x792.png)
初秋の水中温度は、夜間に水面から下層部へ徐々に下がっていきます。
下層部との水温が徐々に近くなりますが、サーモクラインがまだ形成されている状態で、上下の水が交わることはまだありません。
秋の水中の状況
![ターンオーバーの仕組み](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/09/スクリーンショット-2020-09-08-16.01.59-1024x773.png)
ターンオーバー直前になると、サーモクラインは上層部の水温と近くなることで層が薄くなり、より深い場所になります。
最終的にターンオーバー開始
![ターンオーバーの仕組み](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/09/スクリーンショット_2020-09-08_16_05_18-1024x782.jpg)
サーモクラインがどんどん薄くなり、最終的には崩壊します。
サーモクライン崩壊後は、水面から底までの全ての水が混ざります。
これが、ターンオーバーと呼ばれる現象です。
特に秋に起きるターンオーバーを、フォールターンオーバーと呼ぶこともあります。
この、ターンオーバーと呼ばれる現象は、ブラックバスに対してどのような影響が出るのかみていきましょう。
ターンオーバーがバス釣りに及ぼす影響
![ブラックバス](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/07/1209524_s-2.jpg)
As cooled water from the surface sinks to the bottom, debris bubbles up to the surface, accompanied by hydrogen sulfide and other gases produced by disintegrating plants, releasing a musky or sulfurous smell.
出典:In-FishermanUnderstanding the Fall Turnover Periodより引用
直訳:表面から冷やされた水が底に沈むと、破片が表面まで泡立ち、それに伴って硫化水素や、植物の分解によって生成されるその他のガスが発生し、粘り気や硫黄の臭いが放出されます。
ターンオーバーが起こると、底に溜まっていた悪い水質が全体に広がり、ブラックバスはショック状態になります。
よって、ブラックバスを釣ることが難しくなることが多いのです。
ターンオーバーの影響はどのくらい続くのか
usually no more than a week or so — all the water will be pretty close to the same temperature.
出典:BASSMASTERFishing the fall turnoverより引用
直訳:通常は1週間程度-すべての水は同じ温度にかなり近くなります。
ターンオーバーが終わるのは1週間程度かかりますが、このターンオーバーの期間はブラックバスが釣れない、ということではありません。
ターンオーバーで選ぶべきバス釣りのポイント
ターンオーバーで選ぶべきバス釣りのポイントは、ターンオーバーの影響が少ないエリアです。
それでは、どのようなポイントがターンオーバーの影響が少ないのかみていきましょう。
流れ込みやバックウォーター
![流れ込み](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/09/3821390_s.jpg)
流れ込みやバックウォーターは、常に新鮮な水と酸素が供給されている場所です。
水生植物まわり
![水中のカバー](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_8522.jpg)
ウィードやアシなどの水生植物まわりは、水質悪化の影響を受けにくいだけでなく、もし水質が悪い水が入ってきても水質浄化能力が優れているので、ブラックバスが好んで入る場所です。
流れの影響を受けないシャローエリア
![野池](https://tsuriron.com/wp-content/uploads/2020/08/292271_s.jpg)
水質の悪い水が入ってこない、チャンネルライン(ミオ筋)から離れているシャローエリアはターンオーバーの影響は受けづらいです。
まとめ
ターンオーバーはマイナスのイメージがありますが、秋になり広範囲に散っていたブラックバスが、ターンオーバーで一気に一定のポイントに集まることがあるため、逆に釣りやすくなることもあります。
ぜひ、ターンオーバーでもブラックバスを釣ってみましょう。
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