人間にとって雨の日は釣りづらくなりますが、ブラックバスにとっては活性が上がるトリガーになります。しかし、雨の日でも全然釣れないことがあるのです。
今回は、バス釣りにおいて雨が好調になる理由と不調になる理由の解説や、選ぶべきルアーの紹介もします。
雨でバス釣りが好調になる3つの理由
水中の溶存酸素量が増える
雨粒が水面に落ちることによって水中に酸素が供給されます。
エラ呼吸のブラックバスにとって、水中の溶存酸素量が増えるということは、活発に動き回ることができるようになり、エサを捕食することができるようになります。
湿度上昇でエサが水面に増える
「ツバメが低く飛ぶと雨」という天気のことわざがあります。
これは雨が降る前後で湿度が上がり、飛んでいる虫の翅(はね)が濡れてしまうことでうまく飛べなくなり、地面近くを飛ぶようになるのをツバメが捕食するためです。
水面に落ちてしまう虫も増え、この虫を捕食するために小魚が水面に集まります。この小魚をブラックバスが補食しにくるために、活性が上がりやすいのです。
濁りが出る
濁りもブラックバスが釣れるようになる大事な要素です。
普段ブラックバスは目と側線と呼ばれる人間にあたる耳の部分でエサを探しています。
濁りが入ることで目は機能しなくなり、側線だけで反応するようになるのです。
普段は見切られるルアーも、濁りが入れば食わせやすくなります。
これらの3つの理由で雨の日にブラックバスは釣れやすくなりますが、逆に釣れなくなる場合もあります。
それでは、どんな時に釣れなくなるのか見てみましょう。
雨でバス釣りが不調になる2つの理由
水温低下によるコールドショック
雨が降ると極端に水温が下がることがあります。水温が5℃下がると食い渋りはじめ、8℃以上下がるとコールドショックと呼ばれる状態になり、ほとんど動かなくなります。
Following a cold shock from 20 °C to 8 °C, plasma cortisol and glucose increased after 1 h
出典:Wiley Online Libraryより引用
直訳:20°Cから8°Cへのコールドショックの後、血漿コルチゾールとグルコースは1時間後に増加した。
コールドショックになると、コルチゾールというストレスを感じると分泌されるホルモンが血中に増加し、蓄えているエネルギーを消費するようになります。
水温の急な低下は生命維持で精一杯で、エサを食べている場合じゃなくなるのです。
pHの変化によるpHショック
ブラックバスは弱アルカリ性〜弱酸性の幅広い範囲のpHで生息可能です。
しかし、雨が降ると、水中のpHが変わることがあります。弱酸性の水質が弱アルカリ性に傾くなどの状況のことです。
このような変化が起こると、ブラックバスはpHショックと呼ばれるショック状態になり、一切エサを口にしなくなります。
原因は、その地域の地面や地層、岩などにあたって流れ出す水の成分によってpHが変わったり、田んぼや畑の肥料に含まれるpH調整剤の影響が出るからです。
雨が降ると目に見えない水温変化やpHショックなど深刻な問題が水中で起きていることがあります。その問題こそブラックバスが釣れなくなる理由になるのです。
雨の日にバス釣りが不調の時に選ぶポイント
雨の日にブラックバスが釣れない時は、ウィード(水草)や水生植物の近くを選びましょう。水中に根っこが張り出している木の付近も良いポイントです。
理由は、水質浄化能力の高さからです。pHが変わったり、溶存酸素量が減るとブラックバスは好んで水生植物の付近に集まります。
雨のバス釣りで選ぶ4種類のルアー
トップウォーター
雨が降るとポッパーやペンシルベイトなどのトップウォーターが好調になります。
雨が強い場合は、ビッグバドやペンシルポッパーに代表されるようなスプラッシャーがあるとより効果的でしょう。
ワーム
小魚が魚を模したスイムベイトやシャッドテールワームも効果的で、広範囲をサーチするのにも役立つでしょう。雨が降ると、皮膚呼吸をしているミミズが土から出てくるので、ストレートワームは効果的です。
水生植物の中を攻めれるように、テキサスリグも準備しておいたほうがいいでしょう。
ワイヤーベイト
表層を引けるバズベイトや、バズベイトより一段レンジ(水深)を落とせるスピナーベイトも用意しておくといいでしょう。
ミノー
一番知られているルアーにもかかわらず、一番使われていないルアーかもしれません。
周りの人が使っていないだけに、雨の時は1個ボックスに忍ばせておくといい思いをするかもしれません。
まとめ
人間にとっては過酷な状況の雨ですが、ブラックバスを釣ることだけで考えると、かなりいい状況と言えます。
レインウェアを忘れずに、安全第一で雨の日のバス釣りを楽しんでください。
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