その大きさから使うことを躊躇してしまいそうなマグナムクランクですが、どのようにして生まれたのかを理解することによって、実践での使い方が見えてきます。
今回は、マグナムクランクが生まれてきた背景を元に、おかっぱりでのマグナムクランクの使い方を解説します。
マグナムクランクの歴史
マグナムクランクのデビュー戦
出典:Kevin VanDam Two Summer Lures That KVD Lovesより画像引用
2009年の6月に行われたアメリカのバスマスターエリートシリーズのケンタッキーレイクでの試合で、ケヴィンヴァンダムが2位になりました。
その試合で使っていたルアーが、ストライキングの6XDです。
この鮮烈なデビューにより、6XDはマグナムクランクの元祖となりました。
マグナムクランクが生まれた背景
出典:岡田商事株式会社 サイドイメージを使いこなそう!!より画像引用
2009年の6月に行われた試合の後、9月にケヴィンヴァンダムはサポートを受ける魚探メーカーをローランスからハミンバードへと移籍することを発表します。
この頃ハミンバードには、サイドイメージという水中の地形変化が写真を撮ったかのように分かる高性能の魚探を搭載していました。
サイドイメージが出る以前は、シャロー(浅場)にあるストラクチャー(障害物)などを目視で確認し、シャロークランクを投げる選手が大半でした。
しかし、ケヴィンヴァンダムは予め入手していたハミンバードのサイドイメージで深場を写真を見るかのように把握し、誰も正確にキャストできなかったミッド〜ディープへとクランクベイトを送り込むことに成功したのです。
実は、移籍する前からケヴィンヴァンダムはハミンバードを入手し、プロトの6XDも作っていたのです。
マグナムクランクは魚探と共に進化
2009年の6月に行われた試合以降、サイドイメージは急速に普及していき、どの選手でもミッド〜ディープの地形を正確に把握できるようになってきました。
すると、6XDよりボディが大きく、より深く潜る10XDが販売されました。
しかし、サイドイメージを使用したミッド〜ディープの攻略が進んでくると、6XDや10XDのようなラウンドリップのマグナムクランクだけでは、岩などのハードボトムを攻略できなくなってきたのです。
そこで、ミッド〜ディープのハードボトムを攻略するためにスクエアリップを搭載したマグナムクランクの開発に着手したのが、スキートリースでした。
そのマグナムクランクこそがSKTマグナムです。
しかし、スキートリースの開発情報がケヴィンヴァンダムに流れてしまいます。
そのことが影響し、先にスクエアリップを搭載したマグナムクランクを発売するのはケヴィンヴァンダムが開発したKVD8.0となってしまうのです。
マグナムクランクの歴史から見えてくる使い方
マグナムクランクが生まれた歴史から見えてくる使い方は、シャロークランクでは攻めきれない少し深い場所を釣っていく使い方です。
そして、ディープクランクとの大きな違いは、ボディのサイズです。
アメリカでは特にフロリダ系のブラックバスが捕食しているエサがどんどん大きくなってきています。
そのエサのサイズに合わせるサイズがマグナムクランクなのです。
おかっぱりでのマグナムクランクを使う3つの条件
アメリカのトーナメントで磨かれてきたマグナムクランクは、日本でも条件が合えばおかっぱりに適したルアーとなるのです。
その条件とは、
- ベイト(エサ)が大きい
- 水深が1.2〜3m以上ある
- マグナムクランクを投げる人が少ない場所
の3つです。
この3つの条件のうち、1つでも当てはまればマグナムクランクを投入することをおすすめします。
日本のフィールドでも特に3つの条件全てに当てはまりやすいのが、野池です。
それでは、野池を例にマグナムクランクの使い方をみていきましょう。
野池でのマグナムクランクの使い方
ベイト(エサ)を確認してみよう
野池では様々な生物がブラックバスのエサになっています。
エサとなる特に大きな生き物は、大型のブルーギル、マブナ、ヘラブナ、ニゴイ、ウグイなどの魚類だけでなく、ザリガニやモクズガニなどの甲殻類も当てはまります。
野池の生き物をよく観察して、どのようなものが生息しているかを確認することは重要なことです。
水深を確認してみよう
マグナムクランクが得意とする水深は1.2〜3mのレンジ(深度)です。
野池は、農業用水や調整池としての役割を担っているので、3m以上深さがある場所が多いので、マグナムクランクにはうってつけです。
野池でバス釣りをする人は、シャロー(浅場)をスピナーベイトやシャロークランクで流し、水深のある場所はライトリグやジグで攻める人が多いです。
シャローをシャロークランクで流すように、ミッド〜ディープをマグナムクランクで流してみましょう。
小規模の野池であればミッド〜ディープレンジであっても、素早くブラックバスから反応があるかどうかを確認できるだけでなく、地形変化やストラクチャー(障害物)も確認することができます。
マグナムクランクを投げてみよう
野池は、ライトリグ中心に攻めているアングラーが多く、マグナムクランクを投げられていないことが多いものです。
ブラックバスは、見たこともないルアーに反応することがありますので、アングラー(釣り人)側が躊躇せず、思い切ってマグナムクランクを投げてみることが重要です。
まとめ
ルアーがどのようにして生まれてくるのか知ることで、ルアーの本質できな使い方が分かり、応用的な使い方に発展させることが出来ます。
ぜひ、マグナムクランクを理解して、おかっぱりに導入してみてください。
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